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発達障害とは?年齢別の特徴や受けられるサポートをご紹介

発達障害とは?と検索をすると、たいてい、人間関係や社会生活に支障をきたす、脳機能の障害と書かれています。脳機能の障害と言われると、なんだか怖いし、当事者やその親は、あまりいい気はしませんよね。人間関係や社会生活に支障をきたすのは、発達障害の子に限ったことではありません。どの親も、何かしら子供のことで悩みを持っています。発達障害の有無に関わらず、子供の特性を理解したいし、より良く育ってほしいと願っています。ここでは、発達障害を疑われた子供に、親が最初にできること、また、発達障害とはいったいどんなものなのか、子供の特性を理解する上での、大切なことをみていきましょう。

発達障害とは

発達過程で見られる、行動や認知の障害のこと。生まれつきのもので、行動や認知が『普通は』というものから、外れているのが特徴です。最近の情報だと、子供全体の8%程度いると言われており、12人に一人と推測されています。近年、注目されるようになりましたが、昔も一定数は存在していて、問題視されなかっただけといえます。

発達障害の種類

発達障害の種類は、自閉症スペクトラム・ADHD(注意欠陥多動性障害)・学習障害の3つに分けられます。はっきりと分かれるものではなく、いくつかの特性を合わせ持っている場合もあります。また、いずれも見た目にはわかりにくく、行動や考え方から、わがままだと誤解をされてしまったり、対人関係に支障をきたしてしまう場合もありますので、特に周りもまだ未熟な子供のころは、サポートが必要です。

自閉症スペクトラム症(ASD)

幼少期から、他人とのコミュニケーションが苦手だったり、融通が利かず、こだわりが強いといったことがあります。また、対人関係に問題があることも特徴で、幼稚園や保育園、学校の先生から指摘されるというケースもあります。

尚、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などと分かれていたものが、『自閉症スペクトラム』と総称され、診断されるようになりました。どういった特性(症状)が現れるかは、個人差が大きく、本人の困りごともそれぞれ違います。

注意欠如・多動性障害(ADHD)

衝動性が高い。注意力が散漫。じっとしてるのが苦手で歩き回るといったことで、特定されることが多いです。授業中、じっと座っていられずに歩き回ったり、衝動的に話し出して止まらない、忘れ物が多い、などの特性があります。

学習障害(LD)

読む、書く、計算など、特定の分野が極端に苦手です。しかし、知的な水準が低いわけではありません。特定の分野、課題だけが他と比べて著しい遅れがある場合に、可能性が疑われます。

混在する(併せ持っている)場合もあり、同じものでも、程度や出てくる特性は様々です。成長とともに、症状が強くなったり、反対に目立たなくなることもあります。特に女の子の場合は、なんとなく、みんなにまぎれてやっていけたりするので、男の子よりも見つけにくく、医師でも見分けるのが難しいこともあるようです。今や、調べればどれだけでも出てくる発達障害ですが、大切なのは『本人が生き辛さを抱えていないかどうか』『育てている親が育て辛くて困っていないかどうか』につきます。幼稚園や保育園、小学校、中学、高校・・と集団の中にいる時間はとっても長いので、特性とうまく付き合いながら社会生活を送り、良いところはどんどん伸ばしていってあげたいものですね。

発達障害のグレーゾーン

グレーゾーンとは、正式な病名ではありません。発達障害の傾向にはあるけれど、診断をうけていない、もしくは診断がつかないという概念のことです。診断がついていない=症状が軽い、というわけではありません。
発達障害と同じように特性が現れますが、グレーゾーンとは、複数ある診断基準を満たしていないだけで、一つの特性が強く出る場合もあり、多かれ少なかれ『困りごとがある』というのは、発達障害の子と同じです。

グレーゾーンの子が不登校になったときの対応に関するブログ記事はこちら

発達障害が疑われるのはどんなとき?

上に子供がいて、すでに子育て経験者のお母さんだと、違和感を感じたりするようですが、初めての子供だと、比べる対象がいません。ですから、家庭では『子供ってこんなものか』と思ってしまう場合もあります。多くは、保育園や幼稚園での集団の中で、『他の子との違い』から、露呈してくる場合が多く見られます。私も、保育園の先生から指摘をされた時は、とても驚いたことを覚えています。また、癇癪やこだわりなど、年齢が小さいと、ある程度は誰しも持っていたりします。では、どんなことが発達障害を疑われるのか、年齢で見られる主な特徴を見ていきましょう。

発達障害の年齢別特徴

成長段階で、ギャン泣きをして暴れたり、お友達に手が出てしまったり、何かのこだわりを持っていたりは、誰もがあること。ですから、特徴があるからといって、発達障害とはなりません。私が、とあるベテラン小児科医師に言われたことは『お母さんが育てにくさを感じているかどうか』だと。発達障害の有無に関わらず、お母さん自身がとても育てにくさを感じて育児をしているなら、それ自体が問題だということです。

また、就学すると。発達障害でなくても、授業中に走り回ったり、逃亡したりする子もいます。勉強が苦手でついていけなかったり、給食が全く食べられないくらい偏食の子供もいます。だからといって、なんでも発達障害にするのは乱暴な考え方です。ここでは、成長段階によって見られる特徴を、あくまでも一例としてあげています。

乳児期

身体的に何か障害があったり、目に見えることが無い場合、この時期に情緒面での発達障害の疑いを持つことは、とても難しいと言えます。あくまでも例になります。

・なかなか笑わない(表情が乏しい)
・寝つきが悪く、ねてもすぐに起きる

『この子、あんまり笑わない子だな・・』と思っていたら、後に発達障害だったという子供を見たことがあります。こちらも、赤ちゃんなら、こういうことをしたら笑ってくれるかな?という一般的な関わり方をします。しかし、その頃から、興味への偏りがあったのかもしれません。

幼児期

・言葉が遅い
・暴れる、手が出る
・パニックになる
・みんな並んでいる列から外れて突然走りだす
・一斉指示が通らない
・目が合わない
・耳を塞ぐことが多い
・こだわりが強い
・人と関わろうとしない

就学期

・初めてのことへの不安が強く、場合によってはパニックになる(初めて習うことなど)
・遅刻や忘れ物がしゅっちゅう
・ルールや順番を守ることが苦手
・反対にルールや順番にこだわって譲らない
・思ったことを何でも言ってしまう
・文字が読めなかったり、書けなかったりする
・授業中じっと座っていられない
・しょちゅうケガをする

思春期

・友達やクラスメイトとのコミュニケーションがうまくいかない
・関心がないことや苦手なことはやろうとしない
・不安が強い
・学習面での遅れや偏りが顕著
・臨機応変が苦手
・計画を立てるのが苦手
・年齢相応のことができない

発達障害の診断が受けられる場所

発達障害の診断ができるのは医師だけですから、診断が受けられる場所は”病院”ということになります。どこに行ったらいいかわからないときは、掛かりつけの小児科でもいいですし、発達障害の相談を受けている小児科や、児童精神科をネットで調べてみても良いです。第一段階は、話しやすいところに行って、お話を聞いてもらうのが良いと思いますよ。必要であれば、次のステップとして、検査機関などを紹介してくれます。また、次の項目で紹介する、療育などの支援を受けられる場合は、自治体から『受給者証』を発行してもらう必要があります。その際には、医師の診断書が必要となるので、医療機関を受診するのは必須です。

発達障害の子供が受けられる支援

発達障害の子供が受けられる支援は、自治体が運営している療育支援や、個人が運営している塾や、言葉の教室などがあります。まずは、学校や保育園、幼稚園の先生と普段の様子をお話されて、自治体の発達相談の窓口へ問い合わせましょう。合わせて、支援を受けるとなれば、医師の診断書がいりますので、医療機関を受診されておくと良いです。私の子供の例では、保育園の時は、市が運営する集団療育と、言語療育に通っていました。就学とともに集団療育は終了、学童保育に行く代わりに、放課後等デイサービスを利用しています。言語療育はいまいち伸びが悪く(笑)、受給者証を使わずに、個人が運営していることばの教室に通っています。受給者証を使っていないので、費用は完全自己負担になります。

療育

集団療育、個別療育、言語療法、理学療法、作業療法、音楽療法、など療育といっても様々です。自治体の発達支援機関がありますので、どんな療育が受けられて、どんな療育が必要なのか、相談されると良いです。発達障害の診断がついていなくても、支援を受けることができます。例えば、私の子供が通っていた療育のお母さんに聞くと、診断はつかなかったけど、『言葉が遅いため療育が必要』と医師が書いてくれたと言っていました。

放課後等デイサービス

学校が終わって放課後に行く療育で、放課後の学童保育のようなものです。宿題をしたり、みんなで遊んだり、運動したり、施設の課題に取り組んだりと、その施設によってやることは様々です。主に小学生、中学生もいます。こちらも、発達障害の診断がついていなくても、通うことができます。いろんな学校の子が集まってきますし、学年も様々ですから、受ける刺激は大きいように思います。

療育施設も、放課後等デイサービスも、定員があり、今はどこもいっぱいで、なかなか入れないという話を聞きます。私の子供が通っていた療育も半年待ちくらいでした。ですから、早めに動かれることをお勧めします。また、その施設によって、特色があります。チカラを入れている内容も違うため、見学に行って合う場所を見つけられるのが良いかと思います。また放課後のことですから、安全に通えるよう、送迎の有無なども確認されると良いですよ。

発達障害の子供へのサポート

発達障害の子供へのサポートは、『どう関わるか』が一番大事になります。発達障害とひと言で言っても、特性やその子の性格や家庭環境も様々です。正直に言うと、専門家の意見は正論ですが、家庭の事情と全く合わない、なんてこともあります。ですから、より良いサポート体制を築くためには、親が、学校や支援をしてくれる人や施設と、コミュニケーションを取って、人を見ていくことだと思います。

療育手帳とは

発達障害の子供が受けられるサポートで、療育手帳というものがあります。療育手帳は、知的機能の障害が18歳までの発達期に発生した人が、取得できる障害者手帳のひとつです。18歳を過ぎても取得することはできますが、発達期に生じるということが前提なので、大人になって事故で知的障害になった、などという場合は含まれません。各自治体によって、呼び方も様々で、「愛の手帳」と言ったり「みどりの手帳」と言ったりします。

障害の程度によって等級区分があり、重度「A」、それ以外「B」というのが一般的で、自治体によっては、より細かく等級区分があるところもあります。療育手帳を持っていることで受けられるサービスとしては、各種福祉手当や、公共施設や交通費の割引、発達支援や放課後等デイサービスの利用などがあります。各自治体の窓口で、詳しく聞いてみられると良いです。申請の流れは、自治体の窓口に行き、本人の知能検査や保護者へのヒヤリング等があり、医師の診断を経て判定を受けると交付を受けることができます。また、療育や放課後等デイサービスに通所するにあたっての、「通所受給者証」は、療育手帳とは異なり、通所するためだけのものです。

知的障害があるからといって、必ずしも取得しなければいけない、というものではありませんので、受けたい支援や、サポートがあるかなどを検討されると良いと思います。また、必要がなくなれば、返納することもできます。

障害福祉サービス

子供が対象となる、障害者福祉サービスは以下のものがあります。

居宅介護(ホームヘルプ):いわゆるホームヘルパーさんが家に来て、身の周りのお世話をしてくれるサービスです。
重度障碍者等包括支援:介護の重要度が高い人に対して、居宅介護、短期入所、自立訓練などを、包括的に行ってくれるサービスです。
同行援護:外出時に同行し、援護してくれるサービスです。例えば、代筆や代読、移動の援護や外出時の食事介護等。
行動援護:行動する際に、その人に及ぶであろう危険を回避するため、予防的に必要な援護をしてくれるサービス。

子育てメソッド「神様育児」

自分の子供が障害者ということを、認めたくない、または、なかなか認められないということはあると思います。障害者手帳は絶対に取りたくない、という話も聞きます。それはそれで、そういう道を選んでいるだけで、間違いではありません。しかし、その子がいてくれるから、お母さん自身が助けられることや、救われることはあります。神様育児では、子育てでの良い悪いのジャッジはやめて、お母さんと子供自身が「自分達にとってのの正解」を導き出すステップを組んでいます。結局、自分達にとっての正解が、最善の行動なのです。その子を育てるお母さんの気持ちが、解放されるようサポートします。