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癇癪(かんしゃく)パニックはなぜ起きる?癇癪が起こるわけは

私自身、わが子の癇癪を経験してきましたが、癇癪が起こると、本当に苦痛です。そして、経験者にしかわからない『きれいごとでは済まされない感情』が湧いてきます。本気で『死ねばいいのに!』という気持ちになります。それくらい苦痛。ですから、今、お子さんの癇癪と向き合っている方は、どんな気持ちになったとしても、よくがんばっていると思いますよ。決して、自分を責めないであげてくださいね。

癇癪(かんしゃく)とは

癇癪とは、昔から疳の虫という言葉がありますが、手が付けられないほどに、子供がギャーギャー泣きわめいたり、中には怒って物を投げたり、園の運動場に寝転がって暴れたり、とにかく手が付けられない状態に陥ることを癇癪といいます。どの子にも成長過程には、大なり小なり見られる『ギャン泣き』のきついものです。昔はこの状態を、虫がいると考えられていて、虫封じのご祈祷をしてくれる神社が今なお存在しますし、私は鍼灸師ですが、疳の虫を切る施術で、癇切りというのも実際にあります。しかし、なかなか原始的な方法のため、自分の子供にも、一度もしたことがありません。癇癪については、こちらのMSDマニュアル家庭版をご覧ください。

MSDマニュアル家庭版

癇癪(かんしゃく)が起きるわけは

子供が癇癪を起すのは、ひと言でいうと『伝えられないもどかしさ』です。自分が想像していたようにいかなかったり、突発的に予期せねことがおこったり、コンピューターがバグった状態だと思うと、分かりやすいかもしれません。精神的にも知能的にもまだ未熟なため、そこからリカバーする方法や、気持ちを落ちつける方法がわかりません。、また誰かに不具合を伝えることができずに、気持ちがザワザワザワザワして不安なのです。

癇癪(かんしゃく)と発達障害の関係性

癇癪持ちだからといって、発達障害というわけではありません。発達障害でも癇癪を起さない子もいますし、そうでなくても、気に入らないと癇癪を起こして、『キレやすい』『怒らせたら恐い』というのは、子供に限った話でもありません。しかし、発達障害の特性が、癇癪を引き起こしやすい、ということはあります。私の子供も保育園でたびたび癇癪を起していたので、発達障害を疑われました。では、発達障害のどういった特性が、癇癪に繋がる要因となるのか、みていきましょう。発達障害については、下記の発達障害とは?をご覧ください。

発達障害とは?

強いこだわりや偏り

物事への強いこだわりが、癇癪の原因となることがあります。例えば、物の並べかた、順番など、遊びの中でもマイルールが強く、そこから外れるとコンピューターがバグります。お人形を車に乗せるのでも、『こっちから』など、他の子から見たらどうでもいいようなことが、その子にとっては欠かせないことなのです。それを口で説明したり、言ったりできるようになるといいのですが、幼いうちはそれがなかなかできません。また、言葉の遅れがある場合、伝える手立てが薄いため、パニックに拍車をかけます。

突発的な出来事に対する不安感

発達障害の中でも、突発的な出来事に平気な子もいれば、そうでない子もいます。また、いつもと違うことが起こると、少なからず誰もが不安なものではないでしょうか?その不安感が、人より強く出てしまい、癇癪に繋がることがあります。これは実際に、私の子供が、保育園の年少時に癇癪を起した実例です。年長さんを送る会でのことです。普段は『歌→みんなでダンス』の流れで、練習をしてきました。うちの子も楽しんで参加できていたのですが、送る会当日は、歌とダンスの間に、先生方から卒園生へのプレゼントとして、先生方のサプライズ演奏というのがあったのです。うちの子は、当然次はダンスだと思っていたのに、聞いたこともない演奏が突然始まってしまい、パニックになりました。『ちがう!ちがう!』と泣き叫び、先生方の演奏は、うちの子の癇癪にかき消されてしまいました。本当にサプライズだったのは、卒園生よりうちの子だった・・と、今では笑えますが、当時は先生方にも、他のみんなにも申し訳ない気持ちになりました。別に、ダンスがしたくてしょうがなかったわけではありません。想定外が苦手なのです。

衝動性の抑圧

発達障害の特性で、衝動性が強い子は、それを抑圧されることで不安になり、パニックを起こすことがあります。例えば、『今から外で砂遊びをするよー』となったとき、もう砂場に行くことしか頭にないため、順番に一列に並んで、みんなで歩いて行くということができずに、一目散に砂場めがけて走り出したりします。それを、『みんなで歩いて行くんだよ』『順番ぬかしちゃダメだよ』という、一般的な正論が通じないのが発達障害です。その時の癇癪は『どうしてダメなの?』を体現しているわけですが、園や学校でも、気持ちをなかなか理解されずに、悔しい思いをしている子も多いのではないでしょうか?正論で抑制するよりも、『そうする理由』を解決してあげると良いです。例えば、砂場に走って行きたい理由として、『スコップを人に取られたくない』とか、『好きな場所を取られたくない』とか、根本の不安を解決してあげることで、徐々に『あ、走らなくても大丈夫なんだ・・』という経験が増えると、少しずつマシになっていきます。

言葉や発達の遅れ

癇癪とは、ひと言でいうと『伝えられないもどかしさ』だと言いましたが、まさにこれです。言葉が出てこない、言語化できない、また、喋っているのに伝わらない、『不安ともどかしさ』です。ひとりぼっちのような、恐怖に近い不安かもしれません。ですから、癇癪と言葉の発達は、切っても切れない関係にあると思います。私の子供は、癇癪が一番ひどかった4歳時、発達検査をしたら2歳半の知能しかありませんでした。言葉は出ていましたが、2歳年上のクラスにずっといるようなもの。通じない、合わない、いろんなストレスや不安から、毎日のように癇癪を起していました。

癇癪(かんしゃく)を起こさない子にしていくために

癇癪が起こってからの話ではなく、癇癪を起さない人間にしていくために、小さいうちから対策してあげたいものです。なぜなら、懇々と本気で向き合うことが必要だからです。体が大きくなってくると、止めることも大変になってきます。それに、小さいうちは、大なり小なり、どの子もギャン泣きをしたり、パニックになったり、癇癪まがいのことを起こすため、周りも気にしません。しかし、ある程度の年齢になると、怖いとかキレるといったレッテルを貼られてしまうこともあります。本来は感受性が高く、とても人の気持ちに気付ける、性根の優しい子だったりするのに、それでは本末転倒です。癇癪を起さないようにしていくには、どうすれば良いのか?となると『キレなくても大丈夫なんだと、頭にインプットさせること』だと思います。そのためには、とても根気と体力が必要です。ですから、本気で向き合うことが必要になってきます。では具体的に、普段からできることを挙げていきましょう。




睡眠をしっかりとる

地味ですが、めちゃくちゃ重要なことです。経験上で、睡眠不足な日は、癇癪を起す可能性が高かったです。保育園に預けるとき『昨日はあまり寝ていません』と、報告していたくらいです。癇癪とは、コンピューターがバグった状態だと言いましたが、単純に、睡眠不足だとバグりやすくなります。疲れてる時や、眠たいときも同じです。睡眠時間というよりは、頭がスッキリしているかどうかが重要です。

見通しを立てる

突発的なことが苦手な子供には、これがとても有効です。また、耳からの指示や説明が入りにくい子は、その上で見える化してあげると良いです。例えば、私の子供は、いつもと違う道を通っただけで、癇癪を起していました。先に、『今日はこっちの道から行くからね、ちゃんとどこそこに着くから、そっちから行ってもいいかな?』と、いちいち了解を取っていました。とてもめんどくさいのですが、癇癪を起される方がめんどくさいので。あと、自分が了承したことなので、それでは癇癪を起こしません。それで入らない子には、図に書いたり、グーグルマップで、経路を見せると良いかもしれませんね。『時計が3になったらおかたずけ、5になったらお風呂に入るよ!それができたら、アイスクリームあるよ』という、見通しと、ご褒美も効果的かもしれません。また、『タイマーの音がなったら終わりね』というのもやっていました。保育園や幼稚園は、見通しが立たないことが多いけれど、小学校になると時間割があるので、こういった子は小学校の方が、過ごしやすいという場合もありますね。

癇癪に代わる表現

癇癪を抑える手前のゴール設定として、『本人がザワザワしてきた気持ちに気付けること』が、ものすごく重要です。ザワザワしてきたら、単語でもいいから、気持ちを表現できるようになること。言葉が難しいなら、胸をなでるなどの、合図を決めておくと良いです。そうすると本人のなかで、『この段階で抑えたい』という気持ちが芽生えてきます。私の子供は『ザワザワさん来た』と言っていました。『ザワザワさんがきたら、ママに教えてね。教えてもらわないと、ザワザワさんは目にみえないから、わからないよ』と教えました。今でも、学校にいるときに、ザワザワする気持ちになることがあるようですが、『泣きたい気持ちだから5分休ませて』と、先生に言うようになっています。これが、先生からすると、ものすごく助かるようで、言ってもらわないとわからない。でも、言ってくれたら、どれだけでも対処ができるようです。ですから、『自分の気持ちを表現できるようになる』ということが、ものすごく重要です。

お母さんの心の安定

癇癪を起すような子は、並外れた感受性を持っていることが多いです。周りの人間のイライラや不安、トゲトゲしいものを、敏感にキャッチします。人の顔もよく見ています。経験上、私が安定していないときは、癇癪が起こりやすかったです。

癇癪(かんしゃく)が起きてしまったら?

癇癪持ちの子供には、その子の地雷を理解して、パニックが起きないよう先手をうつのがベストです。ですが、どれだけサポートしていても、起きるときはおきます。しばらく止まっていたのに、久しぶりにぶり返した時なんか、心底ガックリします。どれだけがんばっても、起きるときは起きるので、サポート側のせいではありませんよ。自分を責めなくて大丈夫です。癇癪が起きてしまったときは、どういった対処をすれば良いのか、見ていきましょう。

安全を確保して落ち着くのを待つ

癇癪が起こってしまえば、その最中は何を言っても無駄です。危なくないようにして、落ち着くのを待つこと。本当に忍耐がいりますよね。うちの子は、一旦起きると長かったので、私の方もイライラしてきて、怒鳴ってしまったりもしました。癇癪に向き合うって、本当にきれいごとではないです。物を投げたりする子の場合は、物をどけるなど、本人も周りも『血を見ないようにするくらいの対処』が必要です。外出先で起こってしまった場合は、なるべく人がいるところから離れる、車に乗せるなどして、早く落ち着いてくれるような環境に持っていきましょう。

落ち着いたら共感と受容

癇癪がひとしきり終わったら、本人は噓のようにケロッとするものです。こちらは、まだ気持ちが晴れていないので、腹が立つのですが、終わった後のことが大切だったりします。
①『嫌だった』を共感してあげる。『○○が嫌だったね、だから悲しかったね』と、共感しながら、どうしてスイッチが入ってしまったのかを確認する。
②こちらの気持ちを伝える。『でも、○○が暴れて、泣いてこんなことを言った。ママは嫌だったよ。』『いつもいつもこんなことになって、ママはもうウンザリだよ。』と、子供が相手でも、こちらの気持ちもしっかりと伝える。
③どうすれば良かったかを確認。では、どうすればよかった?を口で言えるように、『こうやって言うんだよ』を教える。
これの繰り返しです。これは私がやってきたパターンで、はっきり言って、途方もない作業です。もう、腹が立って腹が立って、できないときもあります。正解はありません。ですが、懇々と向き合うことなくして、癇癪はなくならない気がします。

癇癪や発達障害を相談する場所

子供の癇癪で困っているときや、発達障害が疑われるときの相談先は、どんなところがあるのか確認しましょう。

子育て支援センター

児童館の中にあったりするので、遊びに行ったことがある方も、多いのではないでしょうか?子育て全般の相談ができる場所で、自治体が運営する公共機関にあります。こちらは、第一歩の相談先として、利用しやすいと思います。また、児童館に遊びに行ったとき、中にいる保育士さんに、困っている旨を伝えても良いと思います。

児童相談所

正直、あまりピンと来ないかもしれませんが、実は、児童相談所も、18歳未満の子供に対する相談を受け付けています。児童福祉士や、ソーシャルワーカーといった専門家が相談に応じています。また、地域の支援機関と連携しているのも、児童相談所の特徴です。

医師

小児科や、児童精神科などの、医師に相談するのも良いと思います。予約制で発達外来を設けているところもありますし、ホームページなどで確認されると良いと思います。私も最初は予約を取り、発達相談という形で、一人で小児科へ相談に行きました。漢方薬を処方してもらい、随分落ち着くことができました。現在も続けて服用中です。そうすると、風邪などで受診するときも、子供もことをわかってくれているので楽です。信頼できる医師を見つけておくことをお勧めします。

神様育児

相談したとしても、子供のことで悩んだり、子供と向き合うのは親ですから、そんなときに神様育児メソッドが使えると良いです。子供を育てている限り、子育ても含めて人生ですから、人を正解にする行動ではなくて、自分の気持ちや在り方から、『何をどうするか』を決めていけると、悩みに対して、サクサクと対処できるものですよ。こちらの公式ラインでは、チャットにて簡単無料相談を行っています。相談内容やお悩みが、誰かに知られることはありませんので、ぜひ気軽にご利用ください。

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癇癪がひどい場合は

ひどい癇癪や、発達の問題が疑われるときは、その知識がある人に相談さるれのが良いです。普通の保育士さんや先生は、保育や教育の知識はあっても、発作的なパニックや、発達の問題に関する知識は薄いようです。子供が癇癪を起こしていたとき、私が保育園の先生から言われたことは、『私達は、保育のプロではあるけれど、発達のプロではないからわからない。○○くんが癇癪を起こすことは、私達は別にいいんです。だけど、○○くんがとっても辛そうで、それを見ている私達も辛い。だから、発達相談に行ってみてほしい。』でした。もちろん、保育園や学校との連携は必要ですが、家庭、学校、サポート機関などの総力戦で、サポートされることを検討されてはいかかでしょうか。