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子供の発達障害|診断は受けるべき?そのメリットとデメリットについて

うちの子、発達障害かも?と悩まれている保護者の方へ。発達障害の診断を受けることに、抵抗がある方も多いのではないでしょうか?実は、私がそうでした。今回の記事では、発達障害の診断をきちんとうけるべきか否かを解説していきます。同時に、診断を受けた時のメリットやデメリットについても、みていきましょう。各家庭での考え方はそれぞれであるため、あくまでも参考としてご覧ください。

監修:小林 しょうこ

2016年に独立し、鍼灸整体サロンを開業。鍼灸師を続けるかたわら、スピリチュアルや心の在り方を学び、セミナー講師や女性のためのビジネススクールの主宰を務める。

子供の発達障害で診断が受けられる場所は?

発達障害の診断が受けられるのは、子供も大人も病院のみです。基本的にどんな病気や症状も、診断をしていいのは医師だけです。国際的な基準である、「DSM-5」や「ICD-10」といったものを用いられることが多く、子供についての問診や、行動観察、必要に応じて心理検査や、発達検査、知能検査などが行われます。また、保護者への聞き取りといったものもあります。子供の日常生活や、国際的な診断基準を総合的に見て、判断されます。沢山の検査を行っても、一度で診断に至らない場合も多々あり、経過を見ながら、やっと診断に至るといった事もあります。まずは、掛かりつけの小児科や、児童精神科など、地域の医師に相談し、検査を受けたい旨を伝えられるのが良いと思います。私が住んでいる地域では、詳しい発達検査を受けられる病院は、半年待ちの状態です。紹介状を書いてもらい、予約などをしてから行った良いです。

こちらのホームページに、全国の小児神経専門医や、発達障害の診療医師の名簿が載っていますので、ご参考に。

日本小児神経学会ホームページ

子供が発達障害の診断を受けるメリット

子供が発達障害かどうか、はっきりさせた時のメリットをみていきましょう。障害のある無しに限らず、どんな障害かもハッキリするということです。

発達障害の詳しい内容についてはこちら

困りごとや苦手への対処がしやすくなる

どんな障害があるのかが分かると、『何が苦手なのか』が明確になります。発達障害の場合、本人の努力だけではなかなか克服できないこともありますが、何が苦手なのかがわかると、サポートを受けやすくなります。また、得意なことも分かるので、そこもしっかりと、伸ばしてあげることが出来ると言えます。また、特性が分かると、子供への『伝え方』にも、ひと工夫できます。発達障害の子の場合は、他の子と同じように話しても、入らない場合があります。そこが、ついつい子供にきつく当たってしまうポイントなのですが、本人としては『何を言っているのかわからないのに叱られている』という状況なのです。こちらとしては、イライラ損で終わることも多いのですが、『どうしてそうなるの?』などど畳みかけずに、合理的に考えることができるでしょう。

利用できる福祉サービスの幅が広がる

福祉サービスの中には、診断を受けていないと利用できないものも多くあります。
・障害者手帳の取得:身体障害者手帳、精神障害者手帳、療育手帳
・障害者求人枠での就職:障害者手帳を取得していることが、必須条件です。一般求人枠よりも、障害に対する理解を受けやすいです。また、大手企業や、ちゃんとした企業ほど、こういった雇用枠をきちんと設けているといえるのかもしれません。
・障害年金、自立医療支援制度:こちらは経済的なサポートや、通院による自己負担額の軽減が受けられる制度です。どちらを受けるのも、診断書が必要になります。

自分や子供のせいではないと理解できる

発達障害は生まれつきのものですから、しつけが足りないわけでも、本人の努力不足でもありません。かと言ってどうでも良いわけではなく、やはり親ですから、苦手なことを少しでも減らしてあげたいですよね。そんな時、親のせいでも本人のせいでも無いと分かっていれば、叱りつけるのではなく、子供にとってより良い方法が見つけやすいと言えます。

発達障害の診断を受けるデメリット

次に、発達障害の確定診断を受けるデメリットをみていきましょう。

障害を受け入れる必要がある

診断を受けるということは、否が応でも、現実を突き付けられます。診断が下りていても、障害を受け入れられない親達は沢山います。この、『障害を認める』ということが、一番のネックであり、診断を受けた時のデメリットではないでしょうか?診断を受けることで、周囲の目や不安を感じることも増えるかもしれません。そういった意味では、子供へのデメリットというよりは、親側のデメリットかもしれません。

サポートしすぎて過干渉になってしまう

この部分では、私も耳が痛いところではありますが、『できないから』と決めつけて、過剰にサポートしたり、口出ししたりして、子供の成長を阻害してしまうことがあります。そうなると、子供も『自分はできない子だから』と、自己否定してしまうことになります。

過干渉な育て方とは?こちらをご覧ください。

子供が発達障害の診断を受けた方が良い場合

メリットとデメリットが分かったところで、子供が発達障害の診断を受けるべきかどうか。ハッキリさせたい、と考える方もいますが、一方で、迷われる方も多いと思います。あくまでも個人的意見にはなりますが、診断を受けた方が良い受けた方が良いと思われる場合は、『明らかに違いがあり、子供(子育て)に対して困難を極めている場合』だと思います。子供に対しての困りごとが大きく、どうしていいかわからない。明らかに他の子との違いがある。そんな場合は、親も不安ですが、本人も不安だったり、困っていることがあります。そんな時、診断を受けることで、親自身も腹を括ることができるでしょう。障害年金や、手帳を利用したい場合は診断書が必要ですし、障害者求人枠での雇用を考える場合は、障害者手帳を持っていることが条件となります。

診断を受けなくても良いと思われる場合

発達障害の診断を受けなくても良いと思われる場合は、『子供(子育て)の特性に対して、特に困りごとを感じていない場合』だと思います。それでも、ハッキリさせておきたいと考える方もいますが、迷っている時の一つの判断基準だと考えると良いと思います。診断を受けてサポートを受けるための、手帳の取得も考えていない。障害者求人枠ではなく、一般求人枠でも就労できそうな場合は、診断を受けるメリットがあまり無いと言えるでしょう。

発達障害の子供の診断は何歳から受けられる?

発達障害の診断ができるのは、いったい何歳ころから?となると、年齢はあくまでも目安ですが、ASDは乳幼児から症状がみられることがあり、診断を受けた最も多い年齢が『3歳』と言われています。また、困りごとがある、無いの判断基準ですが、家で家族に囲まれている場合は、何も困りごとがないけれど、園で集団になると困りごとが出てくる、というケースも多々ありますから、親だけでなく、先生など第三者の意見も参考になさってください。

ADHDは12歳までに症状が現れると言われていますが、衝動性や、落ち着きが無いなど、子供では誰にでもあることなどから、診断を受けた最も多い年齢が、ASDよりも遅い8~12歳と言われています。

子供が発達障害の診断を受ける流れ

子供の発達障害の診断は、児童精神科や、小児神経科で受けることができます、子供への検査の他に問診や、行動観察などと合わせて判断されます。子供だけでなく、保護者への聞き取りなども、行われます。確定診断まで、1か月以上を有する場合もあり、さんざん検査をしても、診断がつかなかった、ということもあります。私が住んでいる地域では、小児専門の発達医療センターが一括して行っているため、紹介状を書いてもらい、半年待ちで検査に至るといった状況です。とりあえずは、掛かりつけの小児科の先生に、どうしたら良いのかを相談されると良いと思います。

子供の発達障害の診断費用

子供によって必要な検査が違いますので、線引きが難しいですが、基本的に、発達相談や診断書、検査に至る診断書などは、保険適用になりません。『医師が診察して必要だと認めた検査』については、概ね保険適用になります。(知能検査、心理検査、血液検査など、但し、検査内容によっては保険適用外です)全額自己負担になった場合は、2万円ほど支払ったという人もいます。私が一番最初に、一人で発達相談に行ったときは、保険適用外でした。『医師との面談』という形で3000円ほど支払いました。その後、子供を連れて受診をしたときは、保険適用での診療となりました。保険適用外の診療や、診断書については、病院で値段を決めることができるため、値段はまちまちです。費用が心配でしたら、それも含めて相談されるとよいと思います。

まとめ

結局のところ、診断を受けていようがいまいが、子供と向き合い、ありのままを受け入れるという点では、やることは同じです。その上で、『公的なサポートをどこまで必要とするか』です。また、ハッキリしないとスッキリしないという方は、受けられると良いと思います。ありのままにジャッジを加えす直視する、ということが人間、誰でも難しいものですよね。ただ、障害があるから悪い、障害が無いから良いというのは、自分が下しているただのジャッジ(判定)で、あるから悲しい、辛いという感情の部分とは別なんですね。特に女性は、感情の部分を切り離して考える、ということが苦手な生き物ですから、感情と自分が下しているジャッジを切り離して考えられるようになると、物事がとっても楽ですよ!

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